『大げさにはしゃいでいても 鼻がツンとくる』
ここの歌詞が好きなんだ。
助手席。
夫の水筒のフタを開ける。
かりんとうや、マックのポテトを
夫の口の中へ放り込む。
ナビをする。
BGMを替える。
お弁当を後部座席に座る娘たちに配る。
空を見る。
灯りを見る。
流れゆく景色に心奪われる。
写す。
笑う。
一緒に笑う。
助手席。
町田でアパートメントを見たあとに。
おばあちゃんちにお花を届けにいくところ。
おばあちゃんが喜んでくれたことを、
ふと思い出した。
あのお花屋さんに寄るのも最初で最後だったんだな。
夏に寄ってみたユーカリカシテン。
焼き菓子やさんは、
この日、お休みだったんだ。
神社の近くにパパと車をおいて。
女の子は焼き菓子が大好きなのさ。
どんな世界がうつってますか。
気がついたら丈が短くなっていて。
背が少し伸びていたんだね。
歩いていこうね。
笑っていたいね。
新しい世界。
三女のこういうところ。
長女の小さかった頃にそっくりなんだな。
着物を着せてもらって、パンを持ったまま外に出て。
かぶりつく、お行儀のわるい子。
三歳でなくなる月曜日。
明日を待ち望む三女。
彼女の中で何が変わってゆくのか。
小さな頃、私はよく祈りを捧げていた。
そして、今になってまた、
心の中でふと祈っている自分に気づくことが増えた。
大切な人がいるから。
机に向かうことも好きな姉妹。
といっても、ダイニングテーブルで、
それらは行われる。
背景が恐ろしく片付いてないことが、
恐ろしくなり、途中で戸を閉めた。
